さて、この話題、いくつかの問題が錯綜しているので、一つずつ。
1:本当に昔は質が高かったの? そもそも質って何?
(そもそもの話の発端からして「昔」がいつを指しているのか分からないのでアレなのですが)
昔の方が質が高かった。
この意見、古いラノべ読みの私も一瞬頷いてしまいそうになる。
しかし感覚的にではなく、冷静に考えてみよう。
我が青春、電撃文庫も無かった頃と仮定すると、イラストと言えば、天野喜孝さんとか、末弥純さんだったり、確かに凄い人がいた。
でも、この人たちの凄さは、絵画的なもののような気がする。あんまり小説の中身とリンクしていない表紙が多かったような。挿絵という意味では、中身ときちんとリンクしている今の方が、イラストという意味で「質」が高いと言えるんじゃないかな?
それに、こういった絵師は印象に残っているけど、他にもたくさんのイラストがあったはずで…。でも正直覚えてない。いわゆる「昔は良かった」というやつは、良い想い出だけが美化された結果にすぎない。スタージョンの法則を持ちだすまでもなく、昔だってアレなイラストは相当するあったはずだ。
2:没個性化というけれど…
「昔」と今の最大の違いを言えば、それは刊行点数だ。
かつて、ライトノベルという言葉もなかった時代は、まだ刊行点数が少なくて、これらの作品は、イラストの表紙というだけで、文庫売り場の一角でとても目立っていた。
しかし今は、ライトノベルだけで一コーナーができるほどの量がある。つまり今のイラストは、同じイラスト群の中で目立つ必要がある。
木の葉を隠すのなら森の中、というが、同じ木の葉の中で一歩抜きんでて目立つ事の大変さは想像に難くない。それを没個性化というのは酷なんじゃないかなあ。
「昔」のライトノベルも、今のように平積みにずらっと敷き詰めてしまえば、結構どれがどれだか分からなくなりそうな気もするし。
3:表紙の女の子率が高いのは事実
「昔」から大概、表紙に女の子はいたはず。
エンターテイメントの常として、ラノべの基本はボーイ・ミーツ・ガール。その主人公たちを表紙に入れれば、当然女の子が入る。(だからボーイ・ミーツ・ボーイのBLでは男2人が基本)
ただ、女の子キャラのピンが増えているので、その傾向が悪目立ちしている気も。
イラストに限らず、漫画でも、最近は男の絵を描ける人が少ない、と耳にするので、その辺も関係しているんじゃないかな、とか。(その意味では、今の絵師は劣化、というより、「特化」しちゃっているのかも)
当たり前すぎる結論だけど、結局「主観」の問題と思われる。「ライトノベル」に何を求めるかによって、まったく意見は変わってしまう。



